レクサスのフラッグシップモデルである「LS」。現在では世界的な高級車ブランドとして知られていますが、その原点は1989年に登場した「セルシオ(Celsior)」にあります。
この記事では、レクサスLSの歴史とセルシオの関係、そしてその進化の軌跡を、各世代の特徴や技術革新を交えて詳しく解説します。日本の高級車文化を語るうえで欠かせないLSとセルシオの物語を、ぜひご覧ください。
セルシオ=レクサスLSの始まり|第1世代(1989年〜1994年)
「セルシオ」と「LS」は同じ車だった
1989年、トヨタはアメリカ市場向けに高級車ブランド「LEXUS(レクサス)」を立ち上げ、同時にレクサスLS400(UCF10系)を発売。一方、日本国内では同じ車が「トヨタ・セルシオ」として販売されました。
第1世代の特徴:
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4.0L V8エンジン(1UZ-FE)搭載
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静粛性・振動対策を徹底したエンジニアリング
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ベンツSクラスを徹底的に研究して開発された
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トヨタの技術力を世界に示した1台
「セルシオ」は当時の日本人にとって、“高級車=クラウン”という常識を覆す新時代の高級セダンとして登場し、瞬く間に富裕層や法人向けとして大ヒットしました。
セルシオの進化と高級車としての地位確立|第2〜3世代
第2世代 セルシオ(1994年〜2000年/UCF20系)
第2世代では、初代の設計思想を踏襲しながらも、さらなる快適性と安全性の向上が図られました。
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エンジンの改良で出力アップ
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エアサスペンション搭載モデルが追加
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静粛性と乗り心地がさらに向上
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自動車電話やナビゲーションなど先進装備も搭載
この時期、セルシオは**「成功者の車」「接待車」「役員車」としての地位を確立**していきます。
第3世代 セルシオ(2000年〜2006年/UCF30系)
3代目はデザイン・性能ともに大幅な刷新が行われ、高級車としての完成度が飛躍的に向上したモデルです。
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初のレクサスらしいスピンドル感あるグリルデザイン
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プリクラッシュセーフティやレーダークルーズなどを搭載
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内装の質感・装備ともに欧州車に肉薄
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後席重視の快適装備が大幅に強化
このモデルは、現代のLSの原型ともいえる存在であり、「高級車とは何か?」という問いに真正面から向き合った1台でした。
レクサスLS誕生へ|第4世代から「セルシオ」は消える
2006年:「セルシオ」終了、レクサスLSに統一
2005年、トヨタは日本市場でもレクサスブランドを正式に展開開始。それに伴い、セルシオは廃止され、2006年から日本でも「レクサスLS」として販売されることに。
第4世代 LS460(USF40系):
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4.6L V8エンジン搭載(新開発1UR-FSE)
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8速ATを世界初採用
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インテリジェントパーキングアシストなど先進機能を搭載
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日本初の“レクサス体験”を象徴するモデルに
このタイミングで、「セルシオ=高級車」というイメージから、「レクサス=高級車」への転換が図られたのです。
その後の進化:LS600hから最新モデルまで
LS600h(2007年)|世界初のV8ハイブリッド
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5.0L V8+モーターのハイブリッドシステムを搭載
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レクサスが追求する「環境性能 × 高級感」の象徴
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日本国内では新たな成功者のステータスとして大ヒット
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静粛性とトルク感はまさに“走る応接室”
LS500/LS500h(2017年〜)|現行モデルの革新
2017年に登場した現行LSは、デザイン・プラットフォーム・パワートレインすべてが刷新されました。
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ダイナミックなスピンドルグリルと低重心デザイン
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3.5L V6ターボ(LS500)/ハイブリッド(LS500h)
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GA-Lプラットフォーム採用で走りが大幅進化
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LEXUS Teammateなど先進運転支援システムを搭載
現在のLSは、「ただの高級セダン」ではなく、**走行性能・安全性能・デザイン性のすべてを兼ね備えた“次世代のフラッグシップ”**として存在感を放っています。
セルシオからレクサスLSへ:何が受け継がれたのか?
静粛性と品質へのこだわり
初代セルシオから受け継がれているのは、「音・振動・乗り心地」への徹底したこだわりです。これは現在のLSにも脈々と息づいており、「LSに乗ったら他の車に戻れない」と言われる所以でもあります。
上質さを追求する“和の哲学”
現行LSでは、折り紙・切子・和紙調インテリアなど、日本の伝統美をデザインに取り入れることで、「日本生まれのラグジュアリーカー」としての独自性を高めています。これは、セルシオ時代にはなかった“レクサスらしさ”の進化とも言えます。
高級車=クラウンの時代を変えた存在
セルシオが登場するまで、日本の高級車といえば「クラウン」が常識でした。しかし、セルシオはその常識を覆し、「世界に通用する日本車の高級ブランド」の礎を築いたのです。
そして現在、レクサスLSはその系譜を引き継ぎつつ、さらに進化を続けています。
まとめ:セルシオの魂を受け継ぐレクサスLS、その歴史は挑戦の連続
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✅ セルシオは、1989年にLS400として誕生したフラッグシップの原点
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✅ 2006年からはレクサスブランド統一で「LS」へ名称変更
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✅ 静粛性・品質・快適性へのこだわりは今も継承
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✅ デザインや装備は時代とともに進化し、世界トップクラスの高級セダンへ
「セルシオ」は終わっても、その思想と哲学はLSに受け継がれている。
それは、単なる車の進化ではなく、**“日本が世界に挑み続ける物語”**でもあるのです。